理学療法士を目指したきっかけは?
1歳半のときに脳梗塞で入院し、中学卒業まで通院していました。その待合室で目の前のスタッフの職業を両親が教えてくれて、その中のひとつがPTでした。直接リハビリを受けたわけではありませんが、水泳や剣道などで身体を動かすように心掛けていたので、身体機能を回復するPTの仕事に魅せられ、中学生のときにはなりたい職業で名前が挙がるようになっていました。
訪問リハビリで働きたかったとうかがいましたが?
リラックスできる環境で、機能的にも精神的にも効果が期待でき、もし自分がリハビリを受けるとしたら、慣れ親しんだ環境のほうが有意義に取り組めると考えたからです。自宅に戻れるまでの経過を経験したくて、最初に急性期の病院で数多くの技術と症例を学び、次に老健で病院から在宅へ戻るまでのプロセスを体験して、資格を取得してから7年目に在宅の仕事に就きました。ご本人様はもちろん、家族の方とも深く関わることができ、とても楽しく仕事をすることができましたね。
それがなぜ老人ホームで働くことに?
高齢化社会を迎え、今後もリハビリのニーズが増えていく中、それに比例して理学療法士の数も年々増え続けています。そのような状況で臨床に出ているだけではダメだと思い、セラピストとしての仕事に付加価値をつけるために色々なことを吸収し、リハビリ以外のことにも取り組んでいこうと決めました。リハビリを終えて退院していった患者様のその後の様子がみえなくて、そこにかかわり続けたいとも思っていましたし、在宅での経験も活かしながら学べる環境が老人ホームにはあるとずっと感じていたからです。