ベネッセスタイルケアが自社開発をした介護記録システム「サービスナビゲーションシステム」。その導入と推進を担う川口さんの原点は、介護スタッフ時代の「ご入居者様やスタッフのやりたいことを叶えたい」という意志でした。
IT・マーケティング・広告2006年入社
南関東Ⅱエリア事業本部川口 智広
私の所属する南関東Ⅱエリア事業本部は、エリア内にある40ヶ所ほどの有料老人ホームの運営をサポートしています。その中で、私は「サーナビ研修グループ」というプロジェクトチームの活動をしています。
サービスナビゲーションシステム(愛称:サーナビ)は、ベネッセスタイルケアの20年におよぶ介護のノウハウを組み込み自社開発した、介護の記録システムです。このシステムのホームへの導入支援や、使い方をホーム長やケアマネジャー、看護職、介護スタッフなどにレクチャーするのが今の私の仕事です。
研修の企画から始め、ホームでスタッフの意見をヒアリングしながら日々研修内容をブラッシュアップし、時にはシステムそのものの仕様をアップデートすることもあります。
使い慣れない新しいシステムをホームに導入することは、簡単なことではありません。
導入を進めていく中で、スタッフから「面倒」「すぐには使いこなせない」「自分たちのやり方がある」など、不安の声が挙がることも少なくありません。その不安を少しでも取り除くことを心がけ、活用に踏み出せるよう日々思考錯誤しています。
導入したホームから活用している声をもらうことはとても嬉しいですし、時には私たちが予想していなかった良い使われ方があったりするので、驚きや発見もあります。
介護現場の「記録」とは、ご入居者様のその日のご様子やご体調などを残す、私たちのサービスの根幹を担うとても大切なデータです。
今までは、スタッフが記録を手書きしたり、同じ内容を別の書類に転記すること、また点在する記録を探し集めるために多くの時間を使っていました。
サービスナビゲーションシステムはその記録をシステム化し、記録や共有の効率化を図ることで生まれた時間を、介護スタッフがご入居者様との有意義な時間にあて、サービスの質を高めることを目的としています。
とはいえ、サービスナビゲーションシステムは単なる業務効率化のツールではありません。
スタッフにご入居者様のお手伝いをする際に必要な「気付き」が生まれるよう、仕様を工夫しています。経験や知識が異なるスタッフ間でも、相互に「気付く」ことで事故やミスを減らすことができます。
また、これまで個々のホームに閉じられた記録が社内で情報共有ができるようになることで、自分たちのホームが十分にできている点と、そうでない点に「気付く」ことができます。
さらに、介護保険等の制度変更があった際には、その都度バージョンアップをすることで、法令順守の面でも抜け漏れのないサービスを提供できるツールなのです。
システム会社に勤務していた私は、「もっと人と関わりたい」という想いから、2006年にベネッセスタイルケアの介護スタッフとして転職しました。もともと祖父とも仲がよかったこともあり、ホームでの仕事は、入社前後のギャップもなく、楽しく働いていました。
その中で、ご入居者様の“やりたいこと”、「外出したい」「お買い物に行きたい」という想いに対し、シフト体制の関係や、やらなくてはいけない事がある中で時間が作れず、どうしても叶えられないこともありました。
この状況を何とかしたい、変えたい、という気持ちを当時から抱いていました。
その後、新規ホームの運営スタッフを経て、「サーナビ研修グループ」の担当になりましたが、介護スタッフとしての現場経験やその時の想いは、今なお活きています。
これからも、サービスナビゲーションシステムの導入を進め、実際に使っているホームのスタッフの声を吸い上げながら、日々その機能をアップデートしていきたいと考えています。サービスナビゲーションシステムは、ホームに導入したら終わりではなく、常に変り続け、成長していくシステムにしていきたい。
その日々の取り組みが、ご入居者様とホームのスタッフの“やりたいこと”の実現に還元できればと考えています。