以前は、ホテルの運営会社に勤めていた井本さん。
前職から「現場」にこだわってきた井本さんは、現在、海外人財開発部でどんな仕事をしているのでしょうか。
人事・採用・研修2003年入社
海外人財開発部井本 達哉
海外人財開発部では、海外の人財が介護サービスを学ぶ支援をしています。現在私はベトナムの看護師資格を持つ方に向けての研修プログラム・教材の作成や、現地講師の指導、パートナーである現地の教育機関等のコンサルティングなどを行っていて、時には自らが現地講師の指導のため、教壇に立つこともあります。
事業のベースとなっているのは、「外国人技能実習制度」。開発途上国の人財を日本の事業者が受け入れ、仕事をしながら技術や知識を学んでもらい、帰国後に学んだ事をもとに母国の発展を担う「人づくり」に寄与する制度です。2017年に制度上の対象職種に介護職種が加わり、多くの日本の事業者がこの制度に注目し、実習生の受け入れを検討しています。
ベネッセスタイルケアは「介護サービス」「介護人財育成」のノウハウ、人財を受け入れるための有料老人ホームを持ち、またベネッセグループ内において「多文化共生・日本語教育」のノウハウもあるため、外国人技能実習制度における介護職種の実習生受入れに非常に親和性の高い企業といえます。
海外人財を有料老人ホームで受け入れながら、質の高い介護人財を育成する仕組みを提供出来ることは、べネッセスタイルケアの強みだと考えています。
ベトナムでいう「老人ホーム」は、日本の老人ホームとは隔たりがあるように感じています。そこで働く人には医療スタッフとしての技術や考えはあるけれども、介護が必要な方の「生活を支える・豊かにする」という考え方は、まだまだ根付いていないのが現状のようです。
そんな現地の方に、ベネッセの「介護」の考え方やサービスの内容を伝えると、「とてもいいものだ」「学びたい」という反応を多くいただきます。
海外においては、私たちが20年以上積み上げてきた「介護」に大きな商品価値があるのだと驚きました。
逆に、「介護」の概念がない国から人財を受け入れていくためには、「介護」とは何か、を積極的に伝え、理解していただく必要があります。私たちが介護人財として有料老人ホームで受け入れる予定のベトナムの看護師資格を持つ方々の一部には、「ご入居者様のために、何故ここまでやらなければならないのか」というとまどいもあるようです。
ましてや国が違えば文化にもギャップがありますので、様々な角度からのアプローチを模索しながら、また、今までホーム長・事業部長として介護現場で得た実体験をもとに、ベネッセの「介護」を、リアルさをもって伝えようと努力していきたいと思います。
私がベネッセスタイルケアに転職したきっかけは、介護業界が「顧客満足度も従業員満足度も低い業界」だと考えていたからです。当時、医療・介護サービスに対しては「お客様が我慢して当然」というような風潮を感じていました。また、働いている人たちの不平不満が少なくない印象もありました。だからこそ、顧客満足度も従業員満足度も上げられる伸び代がある、やりがいのある業界であると感じたのです。
私はホテルに勤務していた頃からずっと「現場」を大切に考えてきました。お客様のお声や想いを直接受け取るのは現場のスタッフだからです。ホーム長・事業部長を担当していた時には、現場のスタッフに対し、「決められているからこう動く」ではなく、受け取ったお客様の想いをどう実現するか、ホームの課題をどう解決するかを自分ごととして考え動くチームとなるようなコミュニケーションを心がけていました。
現場が自ら考え動くためのストーリーづくりや、相手の立場や価値観、利害関係を鑑みたアプローチ次第で、現場は想像以上の力を出すことができます。それが結果として従業員満足度を、さらには顧客満足度も向上させていると実感しています。
海外人財開発部では、日本とベトナム、それぞれの思惑も文化も常識も、様々な違いがある両者をつないでいますが、大切なことや醍醐味はホーム長・事業部長時代と同じだと感じています。
今までの現場経験をもとに、自分が関わることでの影響の輪を海外までに拡げ、共に働く仲間を増やしていく面白さを今後も追及していきたいと思います。