看護の仕事
ホームでの看護の仕事
看護スタッフは生活上のかかわりの中で、介護スタッフと協力し合いながら「体調変化の早期発見」と「予防的ケア」の視点で日々取り組んでいます。医療職としての経験を生かし、体調変化に対する処置や対応、健康相談、薬剤管理などを行ないます。また、経管栄養から経口摂取にトライする、ケアの方法を工夫し減薬に取り組むことで、ご入居者様の表情が戻られる等、じっくり長期で看ていけるからこそ、その方らしい生活の維持向上にかかわっていくことができる仕事です。加えて、ベネッセでは「サービスナビゲーションシステム」を自社開発・導入し、スタッフのスマートフォン操作によるご入居者様に関する基本情報、ケア記録はもとより、体調変化や日々の予定変更等、リアルタイム共有を実現し、多職種協働の現場を支えています。
仕事の内容
ご入居者様に
介護スタッフとともに「普段とお変わりがないか」「いつもと違う」といった日々の変化を丁寧に看ていき、ご入居者様の体調管理、経管栄養対応、感染予防、薬剤管理などを行ないます。そして、主治医や協力薬局と連携し、医療的ケアを行います。また、認知症ケアを必要とされる方については、介護スタッフとともに科学的にアプローチしていくことに重点を置いています。
- 1.健康相談・健康管理
- 体調に関するご相談対応、体調変化の把握、予防的アプローチ、定期健康診断の管理、予防接種など
- 2.薬剤管理
- 配薬準備、残薬管理、服薬相談、処方箋管理 など
- 3.主治医の指示に基づく医療的ケアの実施
- 経管栄養、吸引、吸入、血糖値チェック、インスリン対応、HOT管理 など
- 4.緊急時の救急対応
ご家族様に
ご家族様に対しては、ご来訪時に日々の健康状態の報告、相談のお声かけのみならず、小さな体調変化やお薬の変更なども丁寧にお伝えすることで、信頼関係を築いていくことを大切にしています。また、将来的に医療ニーズが生じたときなどもよりよい対応が図れるよう、ご家族様と主治医との関係性づくりや医療面談の設定などもホーム長と協力しながら対応していきます。
生活の場となるホームでは、ご入居者様やご家族様が医療とどう向き合いたいか、ご意向やお考えは千差万別です。大きな方針についてはホーム長から、具体的な医療的ケアの方法については看護スタッフからと、ご家族様にも安心してご利用いただけるよう職員みなで協力体制を取っています。
ホーム長、介護スタッフと
ホーム長や介護スタッフとは、さまざまな情報を交換したり、ともに検討しながら医療面を中心に支援します。また、サービス提供上の課題については、サービスリーダー、ホーム長とともに、その解決に向けてスタッフの育成支援にも取り組みます。介護スタッフの気づく力や対応力が向上していくことは、看護スタッフにとってもやりがいのある役割のひとつです。
- 1.入居時支援
- 入居時、退院時のアセスメント同行(※医療的ケアを必要とされるご入居者様)、主治医との連携調整
- 2.ご入居者様に関する情報交換、サービス改善、向上活動
- デイカンファレンスの実施、アクティビティ企画への参加
- 3.介護スタッフの育成・支援
- 看護や疾病予防の観点より介護スタッフの育成支援、必要に応じて勉強会の実施等
- 4.感染症対策、事故予防対策等の安全管理支援
【サービスリーダー(介護福祉士)】
インタビュー
主治医、関係医療機関、医療職と
毎週(または個別)の訪問診療では、担当医師とご入居者様のお部屋を訪問しながら、直接相談や指示を受けます。また、協力医療機関は24時間365日の緊急電話連絡、臨時往診にも対応していますので、ご入居者様の体調変化に即時対応できるようサポート体制を取っています。また、薬剤師による居宅療養管理指導を導入するホームも増えていますので、より緊密な医療連携でもってご入居者様の日々を支えています。
- 1.日々の体調変化に対する相談、指示受け
- 2.往診前の情報提供
- 3.臨時往診の依頼
- 4.調剤薬局との連携
【医療連携部(看護師)】インタビュー
一日の流れ
- 日勤の
タイムスケジュール - 夜勤の
タイムスケジュール
- 8:30
- 出勤
- 8:45
- 朝の申し送り
体調変化のあるご入居様者訪室
- 10:00
-
①往診対応(主治医との連携)
点眼、軟膏塗布等の実施
- 12:00
- 経管栄養、昼食の見守り
- 13:30
- ②デイカンファレンス
- 14:00
- 配薬セッティング
③体調確認のため訪室
ご家族様への電話連絡
- 17:30
- 夜間帯への申し送り
一日の記録
退勤
※勤務時間はホームにより異なる
①主治医との連携
診時には直接、医師と顔を合わせながら報告、相談ができます。
②デイカンファレンス
提供サービス上の課題について、ホーム長、介護スタッフとともに状況の振り返りと評価を実施。安全徹底のため、かかわるスタッフ全員で事故防止とケアの向上に継続して取り組みます。
③サービスナビゲーションシステム
その日の生活記録に加え、体調変化や予定変更といった情報もリアルタイムに把握。臨時往診依頼時の記録も簡便に作成できる等、実施記録をサポート。
- 16:45
- 出勤、記録読み込み
- 17:00
- 申し送り
常勤看護スタッフからの引き継ぎ
- 18:00
- 食前吸引、経管栄養 など
- 19:00
- 点眼、眠前薬、体位交換 など
介護スタッフ(フロア)フォロー
- 24:00
- 休憩
- 3:00
- 介護スタッフ(フロア)フォロー
記録
- 5:30
- 食前吸引、経管栄養、
血糖測定 など
- 8:45
- 申し送り
常勤看護スタッフへの引き継ぎ
記録、退勤
※勤務時間はホームにより異なる
緊急時の対応
転倒や急なバイタル低下など、緊急時には、主治医はもとよりホーム長にも24時間コールで相談が可能。緊急時対応マニュアル、AEDの設置など急変時に対して夜勤看護スタッフをバックアップする体制と環境でサポート。
看護スタッフの役割・仕事紹介
「ホームでの仕事内容ってどんなこと?」朝の申し送りから、夕方の申し送りまで看護スタッフの一日の仕事の流れを動画でご紹介します。
多職種によるチームケア
ご入居者様お一人おひとりの安全で安心した生活を支えていくためには
様々な職種によるチームアプローチが欠かせません。
困ったことは何でも相談!
ホーム長は看護スタッフの日々の業務と成長を支える、いちばん身近な存在です。
介護現場における多職種協働とは?
ご入居者様の望む生活を実現していくためには、職種を超えたチーム連携がとても重要です。ホームでのエピソードを紹介します。
ホームで働くおもなスタッフの役割
サービススタッフ(介護スタッフ)
ホームの中でメインとなる職種です。24時間365日シフトを組みながらご入居者様の生活を支えています。ご入居者様ごとに生活(ケア)プランを立案し、それに基づき、お食事や排泄の介助などの身体的なお手伝いや、掃除、洗濯など身の回りのお手伝いをする他、その方が大切にしている価値観や生きがいも反映した目標設定をし、アクティビティや行事なども企画・提供します。
ホーム長(管理者)
ホームの「サービス品質の維持・向上」「働くスタッフのマネジメント」「入居率の維持・向上」を考え責任者としてホームを支える要となる存在です。ご入居者様・ご家族様とも積極的にコミュニケーションをとり信頼関係を構築していく中、多職種メンバーが各々の能力を発揮できサービスが向上し、お客様に選んでいただけるホームになるよう努めるホーム運営全般の責任者です。
リハビリスタッフ
ご入居者様への機能評価や個別リハビリプログラムの作成と実施、集団リハビリの実施を行っています。それ以外にもリハビリや健康体操のマニュアル作成や介護用品の選定なども行います。また嚥下機能改善など難易度の高いケースに対してはケースカンファレンス参加など専門職として力を発揮しています。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ご入居者様がその方らしく生き生きとした生活ができることを目指した「生活(ケア)プラン」を、ご家族様のお考えもいただきながら、サービススタッフと協力して作成、承認します。また作成した生活プランどおりに実行ができるよう、サービススタッフのサポートも行っています。ご入居者にとって常に最善か?改善点はないか?をモニタリングし、プランの管理をしています。
大切にしている日々の対話
介護現場での看護スタッフの活躍ぶりを他の職種の人たちはどう見ているのか。仕事としての関わりからお互いに感じていること、その人柄までを語ってもらいました。
長谷川さん(看護師):
サービスリーダーは各フロアにひとりずついてその階の“守り神”的存在です。岸さんと話していていつも気付かされるのは「ご入居さま愛」が強いことです。想いがあるから岸さんからの質問も的確でアドバイスもしやすい、こちらからの相談も持ちかけやすいですね。
岸さん(サービスリーダー):
何かあったら駆けつけてくれる、症状にあった対処をしてくれるのは看護スタッフだけです。普段の生活を見ているのが私たち介護スタッフなので、見えていない細かなことでも“なんか変”と感じたことは伝えるようにしています。
長谷川さん:
専門性が高い人に発言権があるのではなく、誰が動けるのかが大事なんです。介護スタッフさんがいろいろ気付いてくれるから必要な処置が見えてくる。「看護スタッフに見てもらいましょうね」と私の立場を整えてくれるからご入居者さまも信頼してくださる。お互いに尊敬し合える環境がいいですね。
岸さん:
ホームは生活の場です。治療のためにホームにいるのではありませんから、その人らしくあることを大事にするために、大事な医療も一歩引かなければならないこともあります。その人のことをちゃんと汲み取ってきちんと答えを出してくれるから、長谷川さんの存在は大きいですよ。
長谷川さん:
忙しくて余裕がなくなると岸さんのところに駆け込みます。的確なアドバイスにいつも「あ、そうか」と冷静になります。もう限界寸前というときにいつも声を掛けてくれる。よく人のことを見ているし気付いてくれるので安心して任せられるし、私も安心して仕事ができています。
岸さん:
人の懐に飛び込んで、誰とでも打ち解けるのが長谷川さんのすごいところ。若いのに相手を思いやる大切さを理解していて、これまでにはいない看護スタッフです。こんな看護スタッフとなら、介護のお仕事がずっと楽しく働けると気付かされました。