病院からホームへ。
STとしての経験を活かし
私たちは、新しい領域へ
歩みはじめました。

エリアST

中村 藍美(左)2010年4月入社

佐藤 あずさ(右)2012年4月入社

STとして経験17年の佐藤さん、丸8年の中村さん。彼女たちは、それぞれ病院・デイサービスなどで急性期/回復期/生活期リバビリの豊富な経験を積んでいました。そんな佐藤さんと中村さんがホームに転職したのは、「STとしての自分の可能性を広げたかったから」と言います。では、ベネッセのホームには、どんな可能性が待っていたのでしょうか。二人に聞きました。

病院からホームへ。
STとしての経験を活かし
私たちは新しい領域へ
歩みはじめました。

有料老人ホームでの仕事は、病院と似ている?

中村:病院で勤務するみなさんにとって、有料老人ホームで仕事をすることは、きっとイメージがつきにくいと思います。私たち自身もそうでした。
まず、現在のみなさんの延長線上にある業務からご説明しますね。
日々の役割としては、ご入居者様のアセスメント、そしてアセスメント結果の説明と生活(ケア)プランに関するアドバイスをおこなうことです。勤務形態としては、1つのホームに常駐するのではなく、特定のエリア内のホームを巡回します。1日に2ヵ所程度です。
そのため、ミーティングを通じて、自分がアセスメントしたご入居者様の状態(ケアへの提案を含め)を理解してもらうことはとても大切。
とはいっても、押しつけるのではなく、ご入居者様をよく知るスタッフさんの考えも汲み取って、よりよいケアが提供できるよう一緒につくっていくようにしています。
高齢者のみなさんが対象ですから、摂食・嚥下(えんげ)にまつわる課題は、仕事の多くを占めます。そのため、食事をつくる栄養士さんとの連携も欠かせません。
ホームの仕事は、病院と同じでチームワークだと言えます。ナース、PT、OT、STの専門職が一体となって、スタッフさんをサポートしていく、そんな活動にも力を入れています。

病院にはないベネッセならではの仕事。
地域活動や新サービス開発にも関わる?

佐藤:病院と同じといえば、ご家族様への説明をはじめとする対応もあります。
医師との連携では、往診の主治医への情報も。ここからは、ベネッセに入社して取り組むようになった仕事をご紹介します。
ベネッセのホームは、「地域」という視点を大切にしています。その一貫として、定期的に地域の方々を招いてイベントを開催しているんです。近隣の医師などを招いて、介護を知っていただくセミナーも行うのですが、私自身が、誤嚥性肺炎や食べることをテーマにお話することもあります。 さまざまな発想をもった医師と出会えたり、一般の方々のご意見を伺えたり、自身の勉強にもなり視野が広がります。
それから、本部の購買部門とも仕事をしていますね。摂食・嚥下障害に対応したゼリーや介護食品、食器やスプーンなどを検討する、などです。 他にも、採用部門の依頼を受けて、会社説明会でSTの仕事説明を行う。
また、教育部門との恊働で、ベネッセ独自の介護技術ガイドライン(スタッフの介護技術の指針)の改訂にも取り組んでいます。
このように、さまざまな側面から高齢者医療・介護という最新の分野に主体的に携わっていくのが、ベネッセのSTです。

言語聴覚士(ST) 中村 藍美 佐藤 あずさ

最初に悩んだこと。周りとの距離感と専門用語。

中村:ホームで表舞台に立つのは、スタッフの方々。では、自分はどこまでホーム運営に関わっていけばいいんだろう。初めは、その加減に悩みましたね。
だから、よく話し合いましたし、だんだん「わからないことは教えてもらえばいい」、「ベテランのナースさんがいたら頼ればいい」、という考えにいたりました。
遠慮せず、チームの一員として精一杯やる。自分がこうしたいではなく、ご入居者様・ご家族のご希望を実現するために、 どうサポートできるか。どう伝えたら、若いスタッフ一人ひとりが成長できるか。
そういう考え方を持つようになってから、自然とチームワークが築かれていったと実感しています。

佐藤:最初のころ、病院と同じつもりで話をしていたら、スタッフさんに「言葉がわからない」と言われました。介護職の方もたくさんいる職場なので、医療的な専門用語が伝わらないわけです。
そこで、会話ではかみくだいて、アセスメント結果をまとめるときも簡潔に、とコミュニケーションの取り方は工夫に工夫を重ねしました。それは、ご入居者様やご家族様と向き合うとき、「わかりやすい話ができる」というスキルの向上にもつながったと思います。

転職してよかったこと。
それは一緒に歩んでいける毎日。

中村:ホームは、生活の場です。つまり、人生に添っていくのがホームの仕事。
たとえば、ミキサー食だった方が、おやつだけでもカタチがあるものになる。
そうした、ほんの小さな変化を大きなうれしさとして共有できるのです。
「今日はこんなことができた」を通じて、その方の人生に参加していけることが、私はとても好きです。

佐藤:ホームは、ご入居者様を静かに見守っている場ではないんです。
実はとても躍動的。ご入居者様は、私たちが思いもしない発想を持っています。「亡くなったご主人とデートした銀座のお店で、もう一度フカヒレを食べたい」その一心で、数ヵ月にわたりホームのスタッフとがんばっている方がいます。
10年もあきらめていた望みを叶えるために、介護従事者・医療従事者がひとつになって取り組むのです。退院するまでのおつきあいではなく、ともに歩んでいくやりがいを実感できるのがホームのよさですね。

「社員一人ひとりの成長をともに描く」
ベネッセスタイルケアのリハビリ