PTとして
身体機能だけでなく、
その方の生活や
生き方も見ていく。

平岩 正和

理学療法士(PT)

2011年12月入社

患者様との信頼関係だけでなく、休みの日まで若い看護師や年上のベテランが、相談や話を聞きたくて自宅までやって来る。いまも現役看護師として活躍する、いつも人のために一生懸命な母親の姿を見てきて、子供の頃から医療職に憧れていたという平岩さん。
医療職には高齢者との関わりが重要になるとまずは介護職に。訪問介護やデイケア、看護助手で生活リハビリの必要性を痛感し、母のような天職になると確信し理学療法士の道を選んだ。

PTとして身体機能だけでなく、
その方の生活や生き方も見ていく。

理学療法士(PT) 平岩 正和

やるべきことがまだまだなのに、やってあげたいことは程遠く...

念願かなってなった理学療法士ですが、勤めていた病院と訪問リハビリで同じ疑問にぶつかりました。
医療システムのことなのでどうすることもできないのですが、算定日数や単位を意識せざるを得ない状況で、毎日が時間に追われていましたね。
まだまだやるべきことがたくさんあるのに次の患者さんが待っている。やってあげたいことはあまりできる状況ではありませんでした。
リハビリ中は患者様ともお話しをするじゃないですか。アパートの2階に住んでいるのを知っているのに、階段をのぼれるまで身体機能が回復していなくても、入院期間の問題で退院させなければなりません。
医療機関だとその方の生活背景や生き方はあまり重要ではないんです。有料老人ホームならご入居者様の生活環境のどまん中で、他の職種の方と連携しながら、生活リハビリに集中できるだろうと、もう一度介護の現場に戻りました。

医師の判断は絶対です。
でも周囲の状況も大切に。

誤嚥性肺炎で長期入院後にホームに戻ってきた93歳の女性は、入院先の医師の「口からの食事は難しい」という判断で点滴生活になりました。
しかし、3人の娘さんは食べる喜びを感じて「人間らしくいてほしい」と経口摂取を強く望まれました。ホームに戻られてからも食欲や味覚はまったく衰えておりませんでした。
わずかでも望みがあるのならばと、娘さんと本人の意思も確認し、リスク説明を何度も行い、口腔咽頭マッサージ、頚部~体幹ストレッチ、嚥下・摂食訓練などを多職種連携して無理なく進め、自己摂取ができるまでに回復できました。
医療機関でのリハビリでも医師の指示の下ですが自分たちにも責任はあります。
でも、介護施設は違います。
みなで決めた方針は責任を持って、回復を信じて最後まで取り組む。それがしんどいからと介護を敬遠するPT・OT・STがいるかもしれませんが、リハビリ専門職を志した時点で責任のある仕事を選んでいます。介護の現場でもどんどん活躍してほしいですね。

生活のためのリハビリです。
生活がある限り向き合っていきます。

医療機関のときとは違ってここでは機能訓練指導員として、リハビリ業務全般にも取り組むし、嚥下の状況も確認します。
でもそれでご入居者様のリアルな生活に向き合える。この仕事は責任がともなうほど充実するし達成感も大きい。いま、すごくヤリガイを感じているからこそ、気をつけなければならないと気持ちにとどめていることがあります。
それは「慣れ」です。
同じリハビリの繰り返しで気持ちに油断がないこともそうですが、リハビリに一生懸命なあまり、もしかしたら介護でも、「2階に住んでいるのに」と同じようのことがあるかもしれない。
それがどんな場面なのかはわかりませんが、そんな思いを二度としないよう、ご入居様やスタッフが何でも相談できるコンシェルジュ役になれるよう頑張っていこうと思います。

ホーム長から一言

ホームでの生活を通じて、高まっていく「人間力」。
現場が医療から介護に変わったPT・OT・STにとって、一人職場は責任の重さに不安を感じるようです。彼らが困ったときには「ご入居者目線で見てベストな対応なのか?」を考えて答えを出すようにアドバイスをします。あまり細かい事は言わずに、「その人らしさに、深く寄り添えるように業務のサポートをしています。"PT・OT・STの視点で入居者様の生活を良くしていく"ことは、今までと違う環境で頑張ろうとしている皆さんなら必ずやっていけます。」

「社員一人ひとりの成長をともに描く」
ベネッセスタイルケアのリハビリ